5月4(金) 地図を見ながらハイキング |
今日はmIKEさんに地形図の読み方を教えて貰う目的で山歩きである。2万5千分の一の地図を渡されて、まずは現在位置の確認である。稜線の流れ度合いや小高い山のピークなどを目印になんとか現在位置を確定できた。今回は、地図で見ると、キャンプ場の近くでは一番のピークになっている松岩山まで登り、暮坂峠の牧水の詩碑のところに下りて来よう、ということで出発した。 キャンプ場を出てすぐ、地元で採れた山菜や野菜を売っている出店に立ち寄った。我々の行き先を聞いた、元気で愛想の良いオバチャンが『そんな山はわたしゃ知らないよ。クマが出るから止めときな』と言う。急遽行き先を変更して比較的分かりやすい林道のコースにした。メンバーはmIKEさんとかおりさんと僕。 出店の横の沢沿いを入っていく。昨年の大水のせいなのか沢は荒れていた。土砂が削り取られて分かりにくくなった道だったが、ところどころハイキングコースらしい道も残っていて迷う程ではなかった。沢そのものを行けそうな感じだったが、今回は地形図の読み方がテーマなので地図にある林道を行くことにする。 幾筋か入っている沢の最初の分かれ道で、地図を確認した。左と右の沢の間に土留めの階段がついた少し急な登り道である。おそらくこの地点であろうと見当をつけて登った。地図の1cmが実際の地形の400mであるとmIKEさんに教えられたが、この距離感覚が全く無いため少し戸惑う。ここは結局沢に水がある時の巻き道だったらしく、沢が大きく左にカーブした地点でまた沢沿いの道に出た。しばらく沢に沿って沢の左の道を石ころをまたぎながら進んだ。 木々の芽吹きが丁度始まっていて、ここ数週間は毎日こんな季節の週末を過ごしていることになる。 沢をしばらく行くと道は沢を横切って右の山に入っていく。地図ではくねくねと葛折りのような道になっている最初の場所なので比較的確認しやすかった。山は落葉広葉樹とカラマツの混合林で、とても気持ちがよい。この葛折を上り詰めると地図では最初のピークの真下を横切ることになっている。 所々でmIKEさんに『たぶん、このあたりではないかと思うんですが』と確認し、それが合っていたり、間違いだったりして、なかなか地図の見方は難しい。 ゆっくりと歩いた。ただ、せっかく地図の読み方を教えて貰う目的の山歩きなのに、肝心の時間を確認することをすっかり忘れてしまっていた。それでも、10時くらいの出発だったから、約2時間でピークの真下の道を横切った。 mIKEさんが小鳥の巣が落ちているのを見つけた。拾ってよく見ると外側が藁のようなもので固められ、中には柔らかい繊維質の枝のようなものが敷き詰めてあり、指を入れてみると心なしかホッと暖かい感じがする。なんとも良くできているモンである。 渓を右に見て登って来たが、ピークの真下の平坦な道をしばらく行くと今度は左側が開けてきた。梢越しに残雪の白根山が見えて良い気分である。ここで休憩を取ることにした。チーズをかじり、mIKEさんからもらったチョコレートをほおばり、水をごくごく飲む。ふ〜! 梢を渡っていく風がなんとも気持ちがよい。 しばらく休憩して、山を下って次の沢に下り始める。その沢を登って向こうの山の林道に入り松岩山に向かうコースを右折して戻る予定である。梢の向こうに白根山が見え隠れし、こんな山歩きは飽きないなあ。草津の温泉街が遠くに見えてきた。ここから見るとホントに白根山の真下に出来た温泉であることがよく分かる。世立村へ向かう道との分かれ道で、右の道に入り、芽吹きの新緑を撮影したり、野仏を撮影したりしながら沢まで下りた。沢に下りてみると、ん? 地図では車など入りそうもない林道が2車線のアスファルト舗装の道になっているではないか! 参ったなあ。
土手を登り、舗装した道に出た。『参ったねえ』などと言いながらしばらく3人で舗装道路を歩いたが、mIKEさんが『よし、救援を頼もう』と、エッチャンに電話を入れ、車で迎えに来て貰うことにした。さすがにこんな舗装道路を歩くのはゲンナリである。車に出会うまで土筆を摘んだりしながらしばらく歩いていくと湧き水がわいている場所があった。持っていったペットボトルに水を汲んだ。あとでこれでコーヒーを飲もう。20分ほど歩くと見慣れたテールウォークさんの車が見えた。『いやはや』などと言いながらピックアップして貰いキャンプ場に戻った。 最後はなんだかしまらない結果だったが、とても楽しい山歩きだった。なにより地図を見ながら山を歩くことが新鮮だった。僕の中では山に登るというのは、決まったコースがあってそれを歩くことが山歩きであるという固定観念があった。今回は見事にそれが消し飛んだ。僅か3時間くらいのハイキングだったのだが、目から鱗が落ちる思いをするくらいに新鮮な驚きでもあった。mIKEさんに感謝である。 さ〜て、次はどこを歩こうか。 |