☆2月8日(日) 秋田へ

なんとか目は覚ましたが、さすがにちょっと疲れが感じられる。9:30羽田集合なので6:30のリムジンでも間に合うかなとは思ったが、念のため一本早いバスに乗る。7:00前に羽田に着いてしまった。昨日の夜、バスでここから帰ったばかりな訳で、さっきまでここに居たんじゃないか?という気分になる。ゆっくり食事をして、珈琲してみんなと合流。

飛行機は久々にJAS。仕事ではほとんどANAに乗っているので、少し違和感がある。うとうとっとしたら秋田上空だった。それほど揺れることもなく秋田空港に降り立つ。それなりに寒さはあるが、思ったほどではない。レンタカー屋に寄って、手配してあったワゴン車を借りる。運転はハミさんが受け持ってくれた。カーナビに従って田沢湖を目指す。雪は思ったほど無いなぁ・・・というのが実感だった。

宿は田沢湖畔のサンライズホテル。チェックインして、まずは一風呂浴びようということで、田沢湖高原に登っていく。10月に寄った水沢温泉向かう。結構の入浴客だった。露天風呂には雪がこんもり。雪国の露天風呂という雰囲気がタップリ。

ホテルに戻り、一休みしたら夕食。内容は、まぁ、パックの旅行にしてはこんなもんかなぁ・・という感じだった。


夜、西木村の野中課長、高橋さん、安部さんが宿を訪ねてくれた。ホテルの隣にある<ORAE>という地ビールを飲ませてくれる店で、接待を受けてしまった。<瀬音の森>の活動で西木村を訪ね始めてから4年が経つわけだが、もう、村と都市部の住人との交流という枠を越えて、人と人のつながりが出来ているように思う。あれこれ楽しく飲んで、10時にみなさんに送られてホテルに戻る。申し訳ないような、嬉しいような、なんとも複雑な気分になった。

    

☆2月9日(月) スノーシューハイキング

ゆっくり眠れた。まずは寝起きの風呂へ。今日は平日で、客が少ない。イナさんがちょうどでるところで、浴場には誰もいなかった。『うぅ・・・』と体を伸ばし、少しゆっくり浸かった。この朝風呂も、旅に出たときの楽しみの一つだ。

朝食を済ませ、スノーシューハイクに出発。まずは乳頭温泉を目指す。シューのレンタルをしている場所を間違えたりしながら、それでも国民休暇村へ到着。雪が激しく降り始めた。雪の中、林に入り歩き始める。回りを見回すと殆どがブナである。おそらく2次林だろうが、見事なブナの林が広がっている。微かに残るシューハイクをしたあとをトレースしながら林の中に入っていく。

適当なところでお茶の時間にする。お湯を沸かして珈琲。チョコを囓りながら、深い雪の中で飲む珈琲はなんとも言えず美味い。ハミさんはビール。(^^)
ウィンナーをボイルして食べたり、ゆっくり休んでもう一度歩き始める。トレースから外れて、黒湯温泉の方向に向けて歩き始めるが、新雪を歩くのは結構しんどい。坂の途中でブナの巨木に出会う。みんなでワイワイ言いながら記念写真を撮ったりしてあちこち歩き回る。

kurooさんが<こまち>で着くというので、いったん戻り、田沢湖駅まで迎えに行く。駅前の食堂でお昼御飯を食べているとkurooさんが到着。まずはホテルに戻り荷物を置く。せっかだからということで、もう一度シューハイクに出かける事にする。雪は降ったり止んだりで、時々青空が見えたりしていた。

今度は、朝に向かった場所からさらに黒湯温泉に向けて歩き出す。新雪のラッセルはやっぱり疲れる。途中、大釜温泉が見えるあたりまで来て、まっすぐ崖を下りていこうということになったが、良く見ると下には川が流れている。雪が沢山あって、下りるのはそう大変そうではないが、万が一下りてから川を渡れないと困ることになるので、結局ここで引き返して、休暇村まで戻った。

僕以外はみんなスノーシューは初めての体験だったが、楽しい時間を過ごすことが出来たと思う。行けどもブナの林が広がっているというのは、なんとも素敵な風景だった。今年の春はぜひ、新緑を見に再びここを訪れようと決心した。


帰りに、今日も水沢温泉に寄った。今日は平日と言うこともあって、露天風呂は空いていた。みんなで記念撮影をして、雪の温泉を満喫。ホテルに戻るとちょうど夕食だった。部屋に戻り一段落していると、高橋さんがお酒と漬け物をお土産にもって、ホテルを訪ねてくれた。あれこれ話して楽しい時間だった。




☆2月10日(火) 紙風船祭り

朝は少し早く起きて、7:30の朝食を済ませる。ホテルをチェックアウトして西木村に向かう。4駆のステップワゴンをレンタルしたのだが、スタッドレスの4駆は怖いもの無しだった。田沢湖から小さな峠を越えて西木村に入り、上檜内の集落を目指して走る。少し迷ったが、紙風船祭りの会場に到着。安部さんが出迎えてくれた。

村の人たちに挨拶をして、さっそく準備に取りかかる。今日は観光客としてではなく、村人として祭りのスタッフなのである。まずはテントを立てる。運動会でよく見かけるテント。キャンプのテントならもう数え切れないほど立てたが、このテントは初めての経験である。一緒に行った稲垣さんが、時々立てていると言うことで手慣れた感じで進めていく。大きなテントが3張り、アッという間に立ってしまった。

軽トラックからテーブルやらストーブやら荷物があれこれ下ろされる。一通り設置が終わって一旦、集落の会館に戻る。会館では村のお母さん達が、今日の売り物の鍋やら、ウインナーやら、おでんのこんにゃくやらを用意に忙しい。僕らは少し早いお昼を頂く。


お昼御飯を食べて、再び会場に戻る。軽トラックには、今日の売り物やお酒が満載。会場について、ストーブの設置と煙突の据え付けをする。大鍋も運び込まれストーブにかけられる。持ってきた比内地鶏の山菜鍋を煮始める。ストーブの火が勢いよく燃え始める頃には、鍋もいい匂いをさせてきた。

会場の真ん中には、ブナの丸太がキャンプファイヤーのように積み上げられ、夜に火を点けられるのを待っている。僕は送迎の運転手も兼ねていたので、2:00にお母さん達を迎えに行く。全員揃ったところで、鍋に味付けがされ、炭も熾り、ウインナーも焼き始める。いよいよ準備完了。

明るいうちは、ポツリポツリのお客さんだったが、子供達の作った風船を上げる<昼風船>の頃になるとだんだん人出も多くなってきた。4:00くらいにいよいよ<昼風船>を上げる。阿部さんの顔に少し緊張感が走る。村の小中学生がつくった、少し小さめの紙風船があちこちで上がり始める。僕は安部さんの横で風船が上がるまでを観察した。プロパンのガスバーナーで、まずは少し遠目から風船の入り口に熱風を送り込む。

暖かい空気が満ちてきた紙風船は、だんだん立ち上がっていく。真っ直ぐ上を向いた紙風船にしばらくバーナーで熱風を送り込み、パンパンに膨らんだところで、入り口にくくりつけられたぼろ切れに灯油を染みこませたボールに火が点けられる。赤い火が燃え始めたところで、呼吸を合わせて手を離す。

紙風船は、結構勢いよく空に向かって上がっていく。会場のあちこちで、様々な絵が描かれた風船が音もなく上がっていく様は、昼間に見てもなかなか美しい景色だった。






       




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日も落ちて、気温が下がり、鍋の売れ行きがいい。ストーブの回りにはお客さんがたくさん集まってあたっている。しばらく売り子をしていた。なかなか楽しい時間で、村の人達と一体となって何かを仕上げていく気分が伝わっていく。

いよいよ夜の紙風船上げが始まった。阿部さんからは”写真班”のご用命だったので緊張しながら撮影を開始。最初、全ての紙風船を撮影しなければいけないものと勘違いしていて、会場を汗をかいて走り回った。途中、ハミさんに出会って話を聞くと、阿部さんチームのものを撮影するとのこと、少しホッとした。

阿部さん達が昨年から準備を始めて、和紙に描いた美人画が大きく膨らんでいく。撮影の失敗が許されないので、やっぱり緊張気味に撮影を続ける。高さ10mを越える紙風船が熱風を一杯にはらんでふくらみ始め、最後に灯油を染みこませた布に火が点けられると、風船全体がボーっとオレンジ色に明るくなる。その風船が音もなく上がり始める様は、なんとも幻想的な風景だった。

インターバルを取りながら、結局100個を越える紙風船が上げられた。途中、二手の森からemiさんがゲン君とあかねちゃんと一緒に来てくれた。やぁ、どうもどうもと記念撮影をする。産業課の布谷課長も表敬訪問してくださった。

各集落が一斉に上げる最後の紙風船になった。話は聞いていたが、バーナーの熱風でだんだん大きくなっていく紙風船に<瀬音の森>が浮かび上がった時は、やっぱり感動だった。これは、村の人たちから僕らへのプレゼントだった。大きく膨らんだ<瀬音の森>の紙風船が上がっていくときは、みんなから歓声があがった。嬉しかったなぁ!

最後の風船を上げて、後かたづけに入る。荷物は明日の朝撤収する事にして大きな物だけをテントの中にしまい。全員で会館に戻る。会館には遅い夕食とお酒が用意され、宴会が始まる。みんな祭りを無事終えたホッとした気分と、興奮を引きずりながら楽しい時間が過ぎる。

高橋さんがPCとプリンターを持ってきたので、絵になりそうなものをピックアップしてその場でプリントアウトしていった。思ったほどの出来では無くて、”写真班”としてはやや忸怩たる思いだった。


宴会を途中で失礼して、阿部さんの家に向かう。今日の宿は結局、阿部さんの家になった。8畳間を二部屋、僕らの為に解放して宿にしてくださった。なんとも、いろいろお世話になってしまったなぁ・・・。

さすがに疲れていて、布団に入ったらアッという間に寝てしまった。